海外の情報を伝える
私は2017年~2019年まで毎年中国の北京へ行きました。毎回、大型書店で鍼灸の本を見て良さそうな本を買っていました。当時の語学力では本の内容を理解するところまでは読めませんでしたが、少しずつ理解できるようになり、今ではほとんどが理解できるようになりました。もちろん、日本国内の鍼灸書(トリガーポイントやファシアなど)も目を通していますが、中国の軟部組織に対する鍼灸は、深い内容で具体的な治療法の記載もあり臨床で役に立つようなエッセンスが詰まっていて、衝撃を受けました。臨床の中で知っておくと良いこと、その内容の多くは中国の書籍から得た知見なのです。
理学療法のトップランナーは組織学を重視している
私は鍼灸師でもあり理学療法士でもありますが、2023年4月に羊土社から「軟部組織の障害と理学療法」という書籍が出版されました。これは業界内でも軟部組織に対して関心が高くなってきている表れであるといえます。また、コンディションラボの所長である園部先生は「運動器の臨床家のトップランナーの間で組織学というのは皆重要視している」と言い、実際に近年の運動器リハビリテーションの書籍は組織学の内容が増えてきました。こういったことから、軟部組織に関する情報発信は鍼灸師だけでなく他職種に役立つことであると考えました。
チャンネル変更能力up
臨床で患者さんの不調と向き合う時、理論体系と病態の知識が必要になります。もちろん手技のやり方、刺鍼の上手さというのも重要ですが、上記の知識が不足していると全てが上手くいきません。今までの臨床経験では一つの理論体系で全て解決できるものはありませんでした。効果が今ひとつの時は、「いかにチャンネルを変えられるか」が重要です。チャンネルを変えて的確な治療方向へ向けられる能力、これが臨床家として成長する伸びしろになります。
知識の整理
私自身、臨床家として20年以上仕事をさせてもらいました。20年前と比べると現在はwebで調べることも容易になり、専門書も多くなりました。情報が多い中で必要な情報とそうでない情報を分けて整理したい、という想いが強くなりました。役に立つ情報を整理してあげていくのにちょうど良さそうだったのが、サイト型ブログという訳だったのです。いわば、私のノートである感覚で読んでいただけたらと思います。
業界のレベルアップ
理学療法士も鍼灸師も養成校で学ぶのは国家試験に合格するための学習がほとんどです。もちろん、国家試験に合格しなければ、専門職で働けないわけで国試対策は重要なことですが、卒業したら師匠は自らで探さないといけません。そんな人に対してもこういう世界があるということを知ってほしいと考えています。また、また、今勤めている治療院で思うような結果を出せていない等、悩んでいる方に有用な情報提供をして多くの臨床家がレベルアップし、喜ぶ患者さんが増えたら良いかと考えています。